社長メッセージ集(Discover 加茂さん)

[2009.12.23]

金融オンチ


 金融というと何か怪しげなものだと思って理解しようとしない、できれば避けて通りたいと考えている人が多いですが、残念ながら大金持ちでもなく聖人君子でもない私たちは金融を避けて通ることもできません。世界の金融化の流れを受け入れて生きていかなくてはならないのです。
 政治に金融経済は変えられないということをまずもって知って下さい。戦後最悪の世界不況が日本を襲ってデフレスパイラルが加速している2009年の年末、金融機関は銀行の財務基準の健全性の目安となる自己資本比率規制強化の対応に追われています。規制強化に対してメガバンクでは新たに普通株を発行する形の増資を真っ先にしていますが、この場合、株価が大幅に下がることを覚悟しなくてはなりません。
 もう一つの対応策は保有資産を小さくすることですが、これが行われると融資に慎重になる「貸し渋り」や既存の融資を回収する「貸し剥がし」が行われます。これもまた頭が痛い大問題です。銀行が企業に対して「貸し渋り」「貸し剥がし」を行うということは人為的にマネーサプライを滞らせ、企業などへ流れていかない様にすることです。日銀から低金利で大金を得ているにもかかわらず、それを自分たちの負った古傷、暴落した不良債権処理に多くの金をつかうのは、銀行の責務であるはずの企業への事業資金貸し出しを行えなくし、中小企業を死に追いやる結果をもたらす危険が大です。そんな状況下の中で政府は中小企業へのお助け舟として融資の支払い猶予(モラトリアム)制度を持ち出してきました。これはこれでまた問題です。制度が導入された場合、金融当局(政府)からの中小企業への貸し出しを積極的にやる様プレッシャーがかかります。既存の貸し出し先について政府保証がついても、新たな貸し出しが将来の不良債権となる懸念は残ってしまいます。又、モラトリアムを申請する企業はもともと経営状態や資金繰りが厳しい企業です。返済猶予できた場合、その融資に関しては三年間心配しなくてもいいですが、返済猶予をしている金融機関から追加融資に応じてもらうのはもちろん、他の金融機関から融資を受けるのも難しくなってしまいます。いくら目先の資金繰りを支援したところで、抜本的な解決にはなりません。今回の金融危機の中でダメになった会社は、簡単に云えば借金の多い会社です。経営者は借金をしても返せる様な仕組みを常に考えていなければいけません。新しい設備投資をするのであれば、非常に流動性の高い資産を貸借対照表の上にもっておいたほうがいいと思います。もてないのに無理して借金をしてはダメですよ。
 政府と日銀の適切な対策が必要な時に来てますが、残念乍らどちらもやることがチマチマしているし、スピード感もありません。これでは景気回復成長は望めません。中小企業も大企業も銀行も、デフレ・円高・株安・雇用不安と大変な年明けを迎えなければいけません。今回の不況を乗り切っても明るい未来が必ずしもおとずれるとは予測しにくい日本経済です。真の実力を身につける努力を社員一丸となって徹底実践し、銀行・日銀・政府にも申す事は勇気を持って申し、官民一体となって知恵を出し合いこの不況を克服しなくてはなりません。まず自分の会社、自分自身を見つめ直し、猛勉強して参りましょう。

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