社長メッセージ集(Discover 加茂さん)

[2011.05.26]

真の国難はこれからやってくる


 東日本の大震災から2ヶ月が過ぎました。菅内閣からは、復旧・復興への説得力のある道筋がいまだ示されていません。これでは被災地の住民の方々の生活不安・将来不安は高まるばかりで、国民の政治不信もピークに達しています。そんな時、連休(5/6)の合間に浜岡原発停止の発言です。リーダーの発言の意味がわかっているのかどうか疑いたくなる様な唐突なものでした。こんな総理の下では、明るい日本の将来を描くのは難しいです。震災の被害だけではなく、バブル崩壊後の長期間にわたる景気低迷・株価下落・デフレ・円高に加え、少子高齢化と人口減少・企業の国際競争力低下・巨額の財政赤字・毎年交代する総理大臣など、日本の構造問題をあげればきりがないほど日本は弱っています。浜岡原発の発言の前に、今回震災でお困りになっていらっしゃる方々にいかに早く一定水準の生活をできるようにしてあげるかが 又、放射能物質がこれ以上もれるのを防ぐためにいかなる手を講じるかが 今、しなくてはいけない一番のことだと思います。
 もう1つ私見ですけど、原発は“危険だ、危険だ”とみんなで煽るのもいかがかなと思っています。そうでしょ?事故で死ぬリスクがあるからといって、人は自動車や飛行機に乗ることをやめることはないと思います。経済的な利便性と技術的な安全というのは常にトレードオフの関係です。自由に電気を使える社会に暮らしたいと思えば、原発をはじめ 水力・火力・太陽光・風力 ……といった発電にいまのところ頼るしかありません。そもそも、100%安全な技術なんてものはありません。これは冷静に議論を重ね、エネルギー政策を見直していかなくてはならないと思います。責任回避・言い訳・優先 そして、企業のなかで自らの地位の保全という病が蔓延している東電のインチキを見抜くのは我々です。しっかり監視していきましょう。誰が役に立ち、誰が役に立たず、誰が逃げたか、今回の件で見事に色分けできました。今後も無数の厳しい決断が必要となります。危機及び政策を実現する為には、決断せざるをえない局面でもものを決められない人間がそうでない状況では決められるわけがありません。そう思うのは私一人でないと思います。思い切ったことをやらなければいけないということと、原理原則に反したことをやってもいいということは別だということです。
 今の経済ショックを読み違いしてはいけません。これまでの経済ショックとの違いは、電力制約が長期にわたって続くと読まなくてはいけません。それは、災害によって生産設備や社会資本などが破壊損傷した結果、経済の総供給を減少させてしまっていることに加えてです。数年前の経済危機は需要面で生じたショックでしたが、今回は違います。工場等の生産設備の損傷は被災地の生産活動を減少させただけでなく、製造業のサプライチェーンに被害を与え、被災地以外の生産活動をも麻痺させてしまっています。これらの復旧はかなり早期に行われるとは思いますが、原発問題がからんでいますので、そう簡単には回復しないのではないかと心配しています。一方、復興の投資は増加します。しかし、電力制約が解決できないと生産設備の復旧は進んでも、生産は拡大しません。供給面に制約が生じているわけですから、国内需要削減のために我々国民が負担を負わなくてはならなくなります。電気料金値上げや増税などの負担増がどうしても必要になってきますし、純輸出を減らすには円高にならざるを得ません。実際、負担増や円高(輸出産業の採算悪化→株価下落)に対する感情的な反対意見は多いと思いますが、そうした状態が続いて供給不足が解消されなければ結局は望ましくない形での負担増になってしまいます。いよいよ正念場です。官民一体となった将来ビジョンが各方面において必要となってきました。今のままのリーダーでいいのかな。

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