社長メッセージ集(Discover 加茂さん)

[2011.12.09]

T・P・P参加Stop it!!


 結論から申し上げます。反対です。“平成の開国”“バスに乗り遅れるな”何を言っているのですか。市場はすでに開かれているし、バスにも乗り遅れていません。TPPに参加しても日本は繁栄しません。TPPは2006年にシンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4カ国の間で締結された自由貿易協定を広く環太平洋地域の諸国に拡げようとしたものです。自由貿易と聞くと「自由なことはいいことじゃない」とイメージしがちですが、自由貿易というのは関税や非関税障壁など貿易の妨げになるものをできるだけなくし、民間企業同士の輸出入を増やそうという考え方です。互いの国民が良いものを安く手に入れることができ、生活が向上するという発想です。自由貿易協定(FTA)はそれほど問題ないですよね。しかし、TPPは過激な自由貿易協定なのです。この“過激な”がポイントなのです。FTAの場合は日米2国間で貿易を自由化する製品の種類や自由化の期限を調整することができます。「少しずつ調整しながら、お互いにメリットのある貿易協定にしていきましょう」という発想で、どうしても自由化したくない分野があれば先延ばしにすることもできますが、TPPには調整の余地が全くないのです。「例外なき」関税撤廃であり、非関税障壁の撤廃です。関税のみならず、アメリカなどの企業が日本でビジネスを展開するに際し、「邪魔な慣習」「邪魔な文化」「邪魔な法律」などもすべて撤廃しなければならないのです。即ち、日本独自の社会的システムがアメリカなどの企業に不都合だった場合は、それを変更しなければならないのです。しかも期限を2015年までにと明確に定められています。“過激な”という意味わかりましたか!!
 アメリカの経済はオバマ大統領になっても回復していません。雇用の立て直し、輸出倍増はオバマ大統領にとってぜひともやり抜かなくてはならない課題です。輸出とは「自国で余っている財やサービスを外国に売ること」です。輸出をした結果、相手国の雇用を奪うと同時に相手国のGDP(需要)も奪い取ります。日本がアメリカに輸出を増やせば増やすほど日本のGDPは増えて、その分だけアメリカのGDPは減ることになります。輸入はその逆で相手国に雇用と需要をプレゼントすることです。輸出や輸入というと基本的に「モノ」の売買を考える人が多いですが、近年はサービスについても輸出入の対象になっていることを理解しなくてはなりません。サービスとは「在庫できない」「清算と消費が同時に行われる」ものと定義されています。具体的には、観光・医療・教育・運送・金融・投資・興行・通信・建設などが該当します。かつて日本はアメリカのサービスを大々的に輸入したことがあります。橋本政権時代の「金融ビックバン」です。97年以来アメリカからたくさんの金融機関や生命保険会社などが日本市場の開拓に乗り出し、その結果複数の日本の銀行や保険会社が倒産しましたね。プルデンシャル生命やアフラックなどは今では日本の市場において確たる地位を築いていることはよく承知していることです。それと同じようなことが別のサービス業でも起こりうることを十分予測しておかなくてはなりません。
 TPPの怖いところはこの様に範囲が極端に広いことです。マスコミは農業や工業製品の話が中心になっていますが、TPPで協議されている作業部会は24項目にもなっています。アメリカの一方的な要求を呑めば混乱は避けられません。必要のない大混乱は日本経済にとってプラスにはなりません。オバマ大統領はアメリカ経済を何とか再生しようとしています。しかし失業率は9%にも上っています。雇用改善のためには外需を取りに行くしかありません。日本の市場がターゲットです。アメリカ再生の戦略の1つがTPPとも云えると思います。アメリカにとってTPPは日本が加盟しなければ意味がありません。このままなし崩し的に日本が参加しないことになれば、アメリカもTPP参加をやめることも予想されます。アメリカは自国の国益のためにTPPを推進しているのですから、日本も自らの国益を考えて判断すればいいのです。念のために付け加えておきますが、私はオバマ大統領もアメリカも好きですよ。オバマさんの出身地ハワイは特に好きで、何回も行って楽しませて頂いている人間です。

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